インドネシア中部・東ジャワ州マランで今月初め、サッカープロリーグの試合を観戦していたフトリアディ・ヘルマントさんと友人のファリス・ブラマントさんは、試合終了後にスタンドで催涙ガスを浴び、激しい衝撃を受けた。ヒリヒリと痛く、かゆみを伴う感覚があったほか、ファリスさんは息ができない気がしたと言う。大勢の群衆がすでに出口に通じる階段に殺到していた。互いに突いたり押しのけたりし、倒れ込む人が続出した。中には他人を飛び越えて前に出る者や、腕や足や胸を踏みつけて自分だけ生還しようとする者もいた。「誰もが身勝手だった」とファリスさんは言う。「他に選択肢はなかった。それ以外に脱出する道はなかった」