米韓合同海軍演習中の米国の原子力空母ロナルドレーガンPhoto:Handout/gettyimages

 米国人は、政治家が邪魔をしなければ米軍は無敵だと考えるのを好む。しかし実のところ、米国のハードパワーにはかつてのような優位性はない。これがヘリテージ財団の2023年版米軍事力評価報告書が発するメッセージだ。ここで初めて報道されるこの報告書では、憂慮すべき傾向が描かれている。

 ヘリテージ財団は米軍を「弱い」と評価し、「米国の死活的な国益を守るという要求を満たすことができないリスクが高まっている」と分析している。評価は1年前の「及第」から低下し、評価報告書の導入後9年で米軍が「弱い」と評価されたのは初めてだ。

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 この評価報告書は、米軍が2つの主要な地域紛争――例えば、中東での紛争と朝鮮半島における戦い――に同時に関与する二正面作戦を遂行し、ともに勝利を収める能力を測定するものだ。報告書が指摘しているように、米国人は「世界がより単純で、脅威が後退した場所となる」ことを望むかもしれない。しかし、2つの地域紛争に同時関与する態勢を整えるというコミットメントは、米国の国家安全保障戦略の一部だ。