共和党の復調鮮明、米中間選挙戦の終盤Photo:spxChrome/gettyimages

【ワシントン】米国の多くの州で中間選挙の期日前投票が始まる中、上下両院の議会選で共和党の勢いが増している。背景にあるのは、同党陣営による選挙広告の集中投入と高インフレを巡る有権者の根強い懸念だ。

 議会選で民主党と共和党のどちらを支持するかとの調査では、民主党のリードは約2ポイントとなっており、9月下旬から半分以上縮まった。選挙予測で定評のある米ウェブサイト「ファイブサーティーエイト」が各世論調査から平均値を算出した。上院選における民主党のリードは多くの州で縮まり、ウィスコンシン、ネバダ両州では、これまで優位にあった民主候補が一転して劣勢に立たされた。上下両院とも接戦となっている。

 夏から初秋にかけて民主党には明るいニュースが相次いだほか、連邦最高裁判所が人工妊娠中絶に関する憲法上の権利を認めた判決を6月に覆したことで、民主党支持者の投票意欲が高まっていた。ところが足元では、与党が不利になりやすいという、従来の中間選挙の傾向が強まっているもようだ。

 民主・共和両党のアナリストの間では、共和党が下院過半数を奪還するために必要な5議席純増を上回る躍進をみせる可能性が高いとの見方が強まっている。現在、50議席ずつで勢力がきっ抗している上院については、なおどちらに転んでもおかしくないとみられている。

 民主党の世論調査担当者セリンダ・レイク氏は「中絶に関する劇的な(司法)介入を含め、民主党には夏場を通じてかなりの有利な材料があった。それが若者や女性有権者、民主党員を活気づけた」と話す。そうした流れが一巡し、大統領選のない年に見られる通常のパターンに落ち着きつつあるという。