円相場は足元、約30年ぶりの低水準から切り返してはいる。だが円安がしばらくは続き、さらに進行する可能性もある。市場の動揺にもかかわらず、日銀は今週の金融政策決定会合で超低金利政策を維持する見通しだ。円は先週、ドルに対して一時151円台に乗せた後は、150円前後で推移している。151円台は、バブル経済に終焉(しゅうえん)の兆しが出た1990年以来32年ぶりの円安水準だった。政府は円買い介入を先月実施したと発表してからは、正式には何も発表していない。だがこのところの円相場の急伸を踏まえると、政府は再び介入したもようだ。150円は心理的な節目とも思われるが、政府には死守したい一線はなさそうだ。それでも為替介入は、特にひそかに実施された場合、市場参加者に不透明感をもたらし、円安ペースは鈍化する可能性がある。
1ドル=150円、日本にとってマジックナンバーにあらず
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