岸田首相Photo:Anadolu Agency/gettyimages

規模ありきの総合経済対策
補正予算、一夜で4兆円増額

 岸田政権は10月28日、事業規模71.6兆円程度、財政支出39.0兆円程度の「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を閣議決定した。

 歴史的な高インフレに直面する欧米での金融引き締めや、ウクライナ戦争の長期化などにより、世界経済の下振れリスクは高まっている。

 日本では9月の消費者物価指数(CPI)が前年比+3.0%に達し、円安や資源高の進行で今後さらに上昇する可能性がある。こうした事態に対応しつつ、景気回復を継続させるためにも経済対策の必要性は大きい。

 だが総合経済対策は規模ありきで、ばらまき色の強い印象を受ける。

 報道によると、当初、対策実施のための今年度一般会計第2次補正予算は25兆円程度とされていた。だが自民党内から、昨秋の経済対策の補正予算が30兆円超だったことを引き合いに増額を求める声が上がり、わずか一夜で4兆円程度が上積みされたという。