儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態#3Photo:Olga Shumytskaya/gettyimages

旧態依然としたイメージがあるJAグループの中にも、時代の変化を捉えて成長戦略を描いている農協は存在する。生き残る農協はどこなのか。ダイヤモンド編集部は、農家1230人が決める「JA支持率ランキング」を作成した。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#3では、農家の意見と財務データから、農家を結集させる力がある優良農協を選定したランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

トップ農協は1俵2万6000円でコメ集荷
AI、衛星などテクノロジー利用も積極的

 農協については、共済(保険)のノルマ推進などを苦にした職員の大量離職など、何かとネガティブなニュースが多い。しかし、一部には、農家の支持を集め、強固な経営基盤を持つ優良農協もある。

 本編集部が毎年作成しているJA支持率ランキングは、担い手農家アンケートに回答した農家1230人(経営面積は平均22ヘクタール、年齢は55.5歳)による農協への「支持度」と、財務データに基づく「経営健全度」という二つの物差しで総合的に農協を格付けしたものだ。

 いずれの物差しも、農協が存続するための条件である(1)有力農家からの支持があるか、(2)減益が見込まれる金融事業(共済と信用〈銀行業務〉事業)に依存せず、農業関連事業でしっかり稼いでいるか──を重視して設定した。

 次ページでは、全国118農協を対象としたJA支持率ランキングと、上位農協が農家から高評価を受けている理由を明らかにする。