先の米中間選挙で、共和党は下院の過半数奪還を果たした。だが、僅差での勝利により、1月から始まる新議会で党の政策課題を推進するには、実務とイデオロギーの両面で試練に直面しそうだ。共和党が法案を可決に持ち込むには、実質的にほぼ全員の支持が必要となる。そのため、各メンバーが法案の修正や阻止を巡り、一段と大きな影響力を持つことになる。民主党が主導権を握る上院と協力しながら、政府予算の手当てや連邦債務上限、農業・軍事関連の政策策定といった「必ず可決する必要のある」法案を成立させることは、党指導部にとって厳しい道のりとなりそうだ。共和党議員が死亡するか病欠となれば、さらに民主党に対するリードは狭まりかねない。共和党は新型コロナウイルス流行に伴い導入された遠隔委任投票を打ち切る構えをみせており、なおさらだ。さらに共和党は欠員を最小限にとどめる必要がある。下院では、議員の死や辞職に伴い数カ月にわたり空席が続くことも珍しくない。
薄氷の米下院奪還、問われる共和党の結束力
有料会員限定
あなたにおすすめ