キーエンスPhoto:SOPA Images/gettyimages

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキーエンス、ファナックなどの「製造用機器・システム」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

勝ち組キーエンスが盤石の4割弱増収
その裏側で「独り負け」だった企業は?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製造用機器・システム業界5社。対象期間は2022年5~9月の直近四半期(安川電機は22年6~8月期、その他4社は22年7~9月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・キーエンス
 増収率:36.0%(四半期の売上高2520億円)
・ファナック
 増収率:23.1%(四半期の売上高2046億円)
・マキタ
 増収率:9.5%(四半期の売上収益1960億円)
・ダイフク
 増収率:19.8%(四半期の売上高1476億円)
・安川電機
 増収率:18.5%(四半期の売上収益1432億円)

※キーエンスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適用していない。

 製造用機器・システム業界5社は全て前年同期比で増収となった。中でも、キーエンスは30%を優に超える高増収率をたたき出した。

 キーエンスは収益性が極めて高いだけでなく、平均年収も2183万円(22年3月20日時点)と高額な「勝ち組企業」としてその名をとどろかせている。

 今回も第2四半期累計で、「本業で稼ぐ力」を示す経営指標である売上高営業利益率(営業利益÷売上高)が50%を突破し、勝ち組の座を確固たるものにしている。

 その一方で、分析対象とした5社の中には、円安や原材料価格高騰の影響をまともに受け、上半期の最終利益が「前年同期比7割減」となったメーカーが存在する。

 増収率の推移だけでは見えてこない「負け組メーカー」はどの企業なのか。キーエンスの強さの源は何か。次ページ以降で詳しく解説する。