米投資会社ブラックストーンの経営陣は、同社の手がける巨大な非上場の不動産ファンドについて、好調なパフォーマンスにもかかわらず、これほど多くの個人投資家から解約を求められていることに困惑していると明かした。だが、驚くにはあたらない。ファンドの設計自体が、他の投資家が資金を引き揚げようとしているのを見ると、自分もそうするよう投資家に促すものになっている。筆者が懸念するのは、中央銀行が金融引き締めへと動く中、同じような誘因が金融システムの他の部分に波及しかねないことだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融システムから流動性を吸い上げる中、金融市場全般にわたって、緩やかな現金の争奪戦が始まっている。その最大の被害者となるのは、どれだけ現金が必要になるかを予想することなく、非公開資産に押し寄せた人々だろう。
ブラックストーンBREIT、非上場ファンドのリスク露呈
ブラックストーンは流動性が求められる世の中で、非流動性を売りにしている
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