米上場企業会計監視委員会(PCAOB)は先週、米証券取引所に上場している中国企業の監査状況に、ついにアクセスできるようになった。中国指導部が国内外を問わず悪化している企業との関係改善に向けて決意を固めたことを示す最新の兆候だ。PCAOBは米議会が設立した米上場企業の監査を監督する機関。台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が中国指導部に宛てた書簡は、中国が新型コロナウイルスの封じ込めを狙う厳格な「ゼロコロナ」政策から突然の方針転換に踏み切る上で重要な役割を果たした。鴻海は米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産で世界最大手のサプライヤーだ。中国共産党中央政治局は先週、取り組むべき重要な優先課題として、外国人投資家の信頼感の改善を挙げていた。加えて、2021年半ばから厳しい規制下に置かれていた中国の配車サービス大手、滴滴出行(ディディチューシン)は、中国国内のアプリストアへの再参入が近いうちに認められる可能性がある。
中国政府の企業優遇、再び方針転換も
米上場中国企業の監査確認は可能になったが、日和見主義には要注意
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