中国の人民解放軍は、空母から航空機を発進させる能力の向上を目的とした訓練プログラムで、西側の熟練パイロットを指導員に充てていた。公文書や法的文書、電子メール、事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。このプログラムでは、中国と南アフリカの操縦士養成学校が密接に協力し、中国軍が西側の軍に比べて遅れている分野の専門知識を持つ退役パイロットをスカウトしていた。プログラムの一部詳細については、英国防省が10月に明らかにしていた。このプログラムに詳しい複数の関係者によると、南アフリカの首都ケープタウンから車で数時間の場所にある操縦士養成学校「テスト・フライング・アカデミー・オブ・サウスアフリカ(TFASA)」の経営陣は、英国やノルウェー、フランスなどの退役パイロットに狙いを定めていた。中国国内の航空基地で経験の浅いパイロットを指導するのがその仕事で、年に数カ月働くだけで数十万ドル稼ぐことができた。関係者の一人が明らかにした。