──個別に同様の割引を受けることはできるのですか?

風間 運送会社などの企業が独自に組合をつくってNEXCOと契約していることもありますが、自分たちで組合をつくるとNEXCOとの事務作業が増えるので、他の組合に入る場合もよくあります。車を頻繁に使わない企業はETC大口割引を知らない場合もあります。そこにお客さまを開拓する余地があるわけです。

 ただ、お客さまから紹介を受けたり、飛び込み営業をしたりしていましたが、新規開拓にも限界があります。そこで2019年から全国各地の信用金庫さんと提携し、協力をいただくことにしました。

──どう提携しているのでしょうか?

風間 信金さんにお客さまをご紹介いただき、その分、手数料をお支払いするという流れで、最初にお声がけしたのは北海道信用金庫さんです。すると、これまで営業できていなかった小口のお客さまを一気にご紹介いただけました。

 今では他の信金さんとも提携していて、北海道にある20の信金さんのうち15の信金さんと提携しています。さらに、東京、長野、大阪、新潟、愛知の信金さんとも契約を結んでいます。

──組合員数は増えましたか?

ETC大口割引で企業のコストをダウン 信用金庫との提携で組合員数が急増中組合で発行しているETCカード
●道央情報サービス協同組合、●エス・バイ・エス事業協同組合 事業内容/高速道路等通行料金の共同精算事業、共同購買事業、福利厚生事業、従業員数/道央:9人、エス・バイ・エス:18人/売上高 道央:7億8446万円、エス・バイ・エス:11億7579万円(共に2021年度)、所在地/北海道札幌市中央区南3条東4-3-6、電話/道央:011-242-4006、エス・バイ・エス:011-223-1460 URL/道央:disk.or.jp、エス・バイ・エス:sbys.or.jp

松浦 着実に増えています。組合員数は道央が2530社、エス・バイ・エスが1503社に上っています。

──今後の抱負をお聞かせください。

風間 私たちは、その他にも、ガソリンや事務用品、水産品などの共同購買、士業等専門家の紹介、北海道や沖縄のリゾート宿泊施設の利用などのサービスを用意しています。中でも最も力を入れたいのはETCです。

松浦 ETCの大口利用割引は「三方良し」の仕組みです。お客さまに喜んでいただいていますし、信金さんにとっても当組合にとっても大きなメリットがあります。信金さんの助けを借りることでさらにその輪を全国に広げ、一人でも多くのお客さまに喜んでいただきたいですね。

(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2023年1月号掲載、協力/北海道信用金庫