ダイエットを効果的に進める上で、重要なポイントの一つになる食生活の改善。なかでも脂質の摂取量をコントロールすることは、ダイエットの成否に深くかかわってきます。「最近、なかなか思うようにやせられなくて……」と“壁”を感じている人は、脂質の取りすぎが原因になっているのかもしれません。そこで今回は、早稲田大学大学院で運動生理学を学び、「ダイエットコーチ計太」としてYouTubeでも活躍するパーソナルトレーナー・計太さんが、ダイエットの基礎となる「脂質の摂取量」について詳しく解説します。
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YouTubeやSNSを眺めていると、「○○制限」「□□を食べるだけ」といった食に関するダイエット情報が目に飛び込んできます。どれも、より短期的に、より少ない労力で、効果を得られそうな気がしますが、こうした“応用型”のダイエット法は、バランスの良い食生活を実践した上で、挑戦するかどうかを検討するべきものです。基礎が確立されていない状態で、いきなり過度な糖質制限や断食をしたところで効果は期待できず、継続することさえ難しいはずです。野球のピッチャーが投球フォームを固めてから変化球の練習を始めるように、ダイエットでも基礎を確立することが重要です。というわけで、脂質の摂取量を考える前に、まずはバランスの良い食生活について整理しておきましょう。
ダイエットに重要なのは、PFCバランス
「バランスの良い食生活とは?」と尋ねられて、具体的に答えられる人はあまりいないと思います。そんな時に、基準の一つとして参考にしたいのがPFCバランスです。PFCバランスとは、1日の総摂取カロリーに占める3大栄養素(たんぱく質[Protein]、脂質[Fat]、炭水化物[Carbohydrate])の比率を表したもの。このPFCバランスを考慮することが「バランスの良い食生活」を整えることにつながり、ダイエットの基礎作りにもなります。