金相場は横ばいで今年を終えようとしているが、インフレが高止まりしていることを考えれば予想外のパフォーマンスだ。ウォール街は金相場の低迷が長引くとは予想していない。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、今年終盤に上昇しているものの、金先物の中心限月は2022年、0.3%下落の1トロイオンス=1823.10ドル近辺となっている。2年連続の下落となれば、2015年以来初めてとなる。今年は金にいくつかの要因が重くのしかかった。金利の上昇は、超安全資産とされる米国債を保有することで得られる収入を増やし、実質利回り(期待インフレ率を差し引いた後の国債利回り)を押し上げる。一方、金の保有で金利収入は得られない。金利上昇で米ドルは20年ぶり高値に押し上げられ、外国人投資家にとって金は割高となった。