ウクライナ戦争は年をまたいで続きそうだが、欧州はウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアに対してこれほど結束したことはない。また、プーチン氏を押しとどめるために米国にこれほど依存したこともなかった。長年、米国の欧州同盟国はプーチン氏に対する見方を共有しようと腐心してきた。ロシアに近い国々はプーチン氏による欧州東部への拡張政策を阻止するには断固とした抵抗しかないと考え、不満を募らせていたが、フランスとドイツは権威主義のプーチン氏との関係を深めることを主張してきた。だが2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、こうした相違は後退している。欧州大陸の国境線を強引に変更しようとするロシアを阻止するためには、ウクライナを武装させなければならないという民主主義国の共通の目的意識が生じたからだ。