ロシアによるウクライナ侵攻で、世界のエネルギー市場はロシア産の石油を購入する国と購入しない国に分裂した。この分裂がいつまで続くのか、2023年はその手がかりを与えてくれるだろう。購入ボイコットや制裁措置の拡大、さらには12月から適用された新たな価格制限によって、西側諸国とその同盟国の一部はロシアからの輸入を控え始めた。ロシアの生産者は今、毎日何百万バレルもの石油の新しい買い手を見つけなければならなくなっている。加えて、23年2月に予定されているディーゼル燃料やその他の燃料の規制が一段と大きな影響を与える可能性がある。ウクライナ戦争と並行して経済的対立も生じているが、その中心にあるのがエネルギーを巡るこの分裂だ。西側の石油生産者をロシアのプロジェクトから遠ざけ、欧州諸国は南北米大陸やアフリカ、中東、アジアからの新しい供給先を見つけようと躍起になっている。一方のロシア政府は、インドやトルコ、中国からエネルギー収入を得ようとしている。戦争に必要な資金を調達し、欧米の財やサービスからますます孤立していく経済を安定させるためだ。