――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  通常の景気悪化は、貧困層に悲惨な影響をもたらし、中間層は困ることになり、富裕層は不便を感じる程度ですむ。だが2023年に米経済が景気後退入りすれば、あるいは辛うじてそれを回避できたとしても、通常より大きな打撃を被るのは富裕層かもしれない。  これを「リッチセッション」(富裕層中心の景気後退)と呼ぼう。  ごく一部の禁欲主義者を除けば、貧乏を好む者は誰もいない。もし病気や失業などの挫折に直面すれば、立ちゆかなくなるほど蓄えが乏しい状態では、常にストレスの原因が付きまとう。