物価高と生活資金不足に追い詰められ、経済的な緊急事態のために確定拠出年金「401k」を退職前に引き出す米国人が増えている。  資産運用会社バンガード・グループが運営する401kプランの加入者500万人のうち、医療費・立ち退き・差し押さえなどの苦難に対処するために退職貯蓄に手を付けた人は、2022年は過去最高の2.8%だった。21年は2.1%、コロナ禍前の平均は約2%だった。  生活苦による中途引き出しを行う人が増えている背景には、政府が2018年以降、退職口座の資金の中途引き出しに関する規定を緩めてきたことがある。