気球業界の専門家や元当局者、政府文書によると、米国の軍事・民間機関は、国家安全保障上の目的や科学研究、情報収集、商業利用のため領空で気球を運用しており、その用途は広がっている。  米国が外国上空で気球をどの程度運用したのかはあまり知られていないが、過去に例はある。米国は東西冷戦期の1950年代に、「プロジェクト・モービー・ディック」と呼ばれることもある作戦で、カメラを搭載した気球をソ連の領空で飛行させたが、その後はU2偵察機の運用に切り替えた。  ホワイトハウスは、高高度を飛行する米国の気球が中国の領空に侵入したという同国の主張を否定している。