ジョー・バイデン米大統領による政権経済チームの再編は、ラエル・ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が退任して政権入りすることで、FRBに直ちに影響を及ぼす可能性がある。ブレイナード氏が米国家経済会議(NEC)の次期委員長に就任すれば、FRBは、ジェローム・パウエル議長よりも利上げにやや消極的なアプローチを提唱してきた影響力のある幹部を失うことになる。ブレイナード氏は、景気を減速させることでインフレを抑え込むためにここ1年間で急ピッチな利上げを行ってきたパウエル氏を公に支持する一方で、必要以上に利上げを行うリスクなど、政策決定で考慮すべき異なる要因を強調することもあった。経済予測専門の調査会社LHマイヤーのエコノミスト、デレク・タン氏は、ブレイナード氏の退任でリセッション(景気後退)リスクが高まると指摘した。FRBが今春、より積極的に利上げを行うことにつながり得るからだという。