ロシアが先週、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者をスパイ容疑で拘束したことで、米ロ間の亀裂が深まる一方、核保有国である両国の対話ルートはほぼ機能していない。こうしたことが、ロシア連邦保安局(FSB)の管轄下にある裁判所で裁かれることになるエバン・ゲルシコビッチ記者(31)を巡り、釈放に向けた合意形成を難しくすると米政府関係者は話す。裁判所はロシア政府の意向に従うとみられるため、おそらく非公開で行われる審理では実刑判決が下される可能性が高い。FSBは30日、前日にモスクワの約800マイル(約1290キロメートル)東にある地方都市エカテリンブルクで取材中のゲルシコビッチ氏をスパイ容疑で拘束したと発表。WSJはFSBが主張する容疑を強く否定し、即時釈放を求めた。