「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリとビジネス実務部門賞をダブル受賞した『佐久間宣行のずるい仕事術』。人気プロデューサー・佐久間宣行さんが20年以上かけて磨いてきた「誰とも戦わずに、好きなことで、効率的に成果を出す方法」を伝授する本書に、絶賛の声が多く寄せられた。
そこで、受賞を記念して、その悩み「佐久間さんに聞いてみよう」をテーマに、仕事にまつわる悩み・質問を大募集。本連載では、職場の人間関係やメンタルの改善、就職・転職活動に今すぐ役立つ、佐久間さんの回答を公開します。(構成/根本隼)

異動希望が「通る人」と「何回出しても通らない人」の決定的な差

Q. 異動希望を出し続けているのに一向に叶いません

質問者:30代男性
――ある大企業に15年所属しています。今担当している仕事に適性を感じず、異動希望を出しているのですが、なかなか希望が叶わず、モチベーションが下がってしまいます。

 違う部署にいけばもっと成果を出せると思うのですが、異動希望をうまく通すテクニックがあればぜひ教えてください。

「異動希望が通らない人」は直接的な意思表示が足りていない

佐久間さんからの回答↓
 ご自身では「適性を感じていない」とのことですが、その部署で「1人前の戦力」として認められているから、ずっと異動がないんだと思います。まずそこは自信を持っていいはずですよ。

 でも知りたいのは「異動希望を通すテクニック」ですよね。その場合、2つの方法しかないと思います。

 1つは、決定権を持っている直属の上長と、異動したい先の責任者の両方に、「もうじゅうぶん結果を出したから、権利として異動させてくれ」とはっきり伝えること。

 もう1つは、勇気を持って、「この仕事が続くと、これ以上メンタルが持たないから異動させてください」と精神面の負担をさらけ出すこと。

 このどちらかの意思表示をしないかぎり、戦力として都合よく使われて続けてしまうと思います。

「異動できない理由」を掘り下げるのも有効な手段

佐久間さんからの回答(続き)↓
 あとは、同じ部署に15年もいるとしたら、「異動できない理由」を上長に直接聞くか、自分で熟考してみるのも一手かもしれないですね。

 一般論として、ずっと異動できない理由は、

(1)自分が貴重な戦力だから
(2)今の部署にしか向いてないと思われているから
(3)何か問題があって引き取ってくれる部署がないから


 の3つしかありません。自分の現状をよく知れば、異動のために取るべき手段がわかってくるはずですよ。

(本稿は、ダイヤモンド社の公式Twitterアカウントで募集した「あなたのその悩み、 佐久間さんに相談してみませんか?」キャンペーンに寄せられたお悩みをもとにした『佐久間宣行のずるい仕事術』グランプリ受賞記念連載です)