ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。この本はSNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。

リーダーが絶対にやってはいけない「一瞬で信頼を失うたった一つの行動」Photo: Adobe Stock

犯人探しをしてはいけない

 なにかトラブルが発生すると、みんなすぐに犯人を特定しようとする。

 早いところ「だれの責任なのか」を明らかにしたいし、もっと言えば「自分の責任じゃない」と言いたいからだ。

 そして犯人が突き止められると、こころなしかホッとする。

 でも、そうやって個人のせいにしてその場をしのいでいるうちは、またいつか同じようなトラブルがチーム内に発生する。

 ミスをやらかすヤツは、どんなときもいるからだ。

人を責めずに「仕組み」を変える

 だからリーダーに大切なのは、犯人を明らかにすることよりも、トラブルに至った「仕組み」を特定し、それを解決することだ。

 あらゆるトラブルはすべて、チーム全体で考える。

 たとえば、明らかにA君の確認ミスで、致命的なトラブルが起こったとする。

 僕たちで言えば、「ロケ先が貸し切りにできていなかった」「撮影許可が下りていなかった」など。

 そんなときにはチームに緊張が走る。

 でも、ここでA君だけを責めてはまったく無意味

 個人的なミスの裏には、必ず「仕組み」の問題が隠されているからだ。

リーダーがチェックすべきこと

 リーダーがチェックすべきこと、それは、

・一人に大きな負荷がかかっていないか
・大事な判断を一人に任せすぎていないか
・ダブルチェック機能が働いていなかったのではないか

 など。リーダーはここを解決していかないと、A君が成長しても、忘れたころにまた別の人で同じ問題が起こってしまう。

個人を攻めても意味がない

 問題の原因を「個人の能力」に求めると、A君のスキルアップに頼るところになるし、メンバーも他責のままだ。

 けれど「これは業務分担の問題だ」とか「チェック体制の問題だ」と捉えると、チームのみんなで解決策を考える頭に切り替わる。

 個人の成長を待たずとも、短期間で解決できる問題はたくさんある。

 ミスした人を犯人扱いし、責め立てるような流れを、リーダーは絶対放置してはいけない。

チームが前進するしくみをつくる

 仕組みに不備があったり、風通しが悪かったりするチームでは、メンバーが十分に力を発揮できなくなる。

 それではいいアウトプットは期待できない。

 だれかを血祭りに上げて溜飲を下げるのではなく、チームの「構造」に切り込むこと。

 チームは一つずつバグを直して「いい仕組み」につくり変えることで、少しずつ前進することが大切なのだ。

『佐久間宣行のずるい仕事術』より)

本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)