これから始まる1-3月期の銀行決算シーズンは、規模の大きさが物を言うことになりそうだ。シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行を相次ぎ破綻に追い込んだ預金流出の危機は、大手行よりも小規模な銀行に大きな打撃を与えている。調達コストの低い預金は近年、銀行の収益を押し上げる原動力となってきた。銀行は3月に銀行危機が起こる以前から、金利上昇の恩恵を顧客に還元してきた。これに加え、足元では融資の縮小が見込まれ、さらに収益を圧迫する可能性が高い。また保有債券の含み損が株主還元の足かせにもなりそうだ。ただ、痛みは銀行業界全体で一様ではないだろう。モルガン・スタンレーのアナリストは米銀大手13行の1株利益(EPS)見通しを、2023年は中央値で4%、24年は15%それぞれ引き下げた。中堅銀行の見通しはさらに暗く、23年と24年のEPSを平均で各17%、27%引き下げた。
米銀決算厳しい予感 大手以外は預金流出
先月は3000億ドル以上の預金が流出した
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