中国は最近行っていた台湾周辺での軍事演習を終了した。だが台湾はこの先、シミュレーションではなく、実際に中国による封鎖に直面する可能性がある。封鎖が成功するかどうかはさまざまな要因に左右される。中でも、現代のあらゆる経済国にとって極めて重要なエネルギーが大いに影響する。台湾は現在、石炭・石油・天然ガスを中心に、ほぼ全てのエネルギーを輸入している。しかも、ロシアのウクライナ侵攻後に記録的な速さで欧州連合(EU)と送電網を統合できたウクライナとは異なり、島国の台湾にそのような解決策はほぼあり得ない。幸いにも、台湾は風力と地熱という異なる種類の豊富なエネルギー資源に恵まれている。だが、相当な財政負担にもかかわらず、2020年代半ばまでに電力の20%を再生可能エネルギーでまかなうという目標に向けた動きが、すでに遅れている。軌道に乗せるには、さらなる財政支出と、痛みを伴うかもしれない電力セクターの抜本的改革が必要だろう。
台湾のエネ安保、ウクライナよりも危機的か
危険な地理的環境でエネルギー安全保障は不可欠
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