世界的に猛威を振るう鳥インフルエンザの大流行で1億羽以上の家禽(かきん)が感染死した。欧米では感染拡大を食い止めるため、多くの国が長年にわたり抵抗し続けてきたワクチンの開発と接種に本腰を入れつつある。米国と欧州の一部地域で、家禽を対象とする鳥インフルワクチンの定期接種は行われていない。鳥インフルは数年ごとに発生し、容易に感染拡大して死に至る病気だ。通常、家禽を殺処分すると感染拡大は収束する。米国の養鶏会社を代表する業界団体は長年にわたり、ワクチン接種は鶏肉輸出に打撃を与えるとの懸念から反対してきた。また、ワクチンは一羽一羽のヒヨコや一つ一つの卵に投与しなければならず、その複雑な管理やコストについても疑問の声が上がる。
欧米、鳥インフルにワクチンで対抗へ
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