3月に米地銀2行が破綻したことを受け、安全とされる大手金融機関に預金者が一斉に逃げ込んだ。今週発表される一連の決算では、この取り付け騒ぎが中小銀行にどれほどの損失をもたらしたかが明らかになるだろう。米国の中小銀行からは過去数週間で数千億ドルが流出し、大手行のほか、相対的に高い利回りを提供しているMMF(マネー・マーケット・ファンド)に資金が向かった。そのため中小銀行の多くは、顧客のさらなる流出を防ぐため預金金利の引き上げを余儀なくされそうだ。M&Tバンク、USバンコープ、シチズンズ・ファイナンシャル・グループといった地銀数十行による1-3月期(第1四半期)決算の発表が始まれば、どれほどの打撃を受けたかがより鮮明になるだろう。投資家・アナリスト・中銀関係者はこれらの決算を精査し、金融システムや経済全体の健全性に関する手掛かりを得ようとする可能性が高い。