米連邦準備制度理事会(FRB)は、中堅銀行の保有証券が生み出す損失の隠蔽(いんぺい)につながる抜け穴をふさぐ可能性がある。こうした抜け穴がシリコンバレー銀行(SVB)の破綻の一因になったとみられている。事情に詳しい複数の関係者によると、FRBは一部の銀行に対し、規制目的で自己資本を多く報告することを認めているが、マイケル・バー副議長(銀行監督担当)を中心に、そうした措置を停止することを検討している。銀行は潜在的な損失を吸収するための緩衝材として、自己資本の増強を求められている。SVBとシグネチャー銀行が先月突然破綻し、金融システムが動揺したことを受け、当局は規則の見直しに着手している。FRBは2019年に規制を一部緩和していたが、今回の見直しが採用されれば、現在は大手企業だけに適用されている規制が拡大され、中堅銀行に対する監視が強化されることになる。