「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。
「即時の、突然の」を意味する3つの英単語
「即時の、突然の」という意味を表す形容詞を整理して押さえよう。
(1) immediate
(2) sudden
(3) abrupt
(1) immediate
「すぐの、即時の」という意味。
時間的な「近さ」だけでなく、「すぐ隣の」「近親の」「(原因などが)直接的な」のように「(場所・関係などが)近い」の意味でも使われる。
語源について少し触れると、語頭のim-はin-と同じく「否定」、mediateは「仲介する」(medium〔中間、媒介〕と似ていることに気づいただろうか)。
つまり「間に何も入らない」から「(時間的にも距離的にも関係性の点でも)近い、直の」という意味で使われると考えておこう。
(2) sudden
「突然の」という意味で、immediateより急に起きたという感じが強い。
(3) abrupt
「突然の、不意の」という意味でsuddenより意外性が強く、時として不快感を伴うようなことに使われる場合がある。
このように、それぞれニュアンスが少しずつ異なる。また、immediately(すぐに)、suddenly(突然)、abruptly(不意に)という副詞もよく使われるので覚えておこう。
(1) immediate
Mr. Wells is my immediate superior in the company.
ウェルズさんは、会社での私の直属の上司だ
The terrorists demanded the immediate release of the prisoners.
テロリストは、その囚人たちの即時解放を要求した
The government should take immediate action.
政府は直ちに行動を起こすべきだ
It is likely to happen, but not in the immediate future.
それは起こるだろうが、今すぐにというわけではない
◆ immediate futureは「近い将来」(=near future)
Olivia was sitting to my immediate right.
オリビアは私のすぐ右側に座っていた
David passed away surrounded by his immediate family.
デビッドは、近親者に囲まれて亡くなった
The immediate cause of the accident is still unknown.
その事故の直接の原因はいまだに不明だ
The wildfire poses no immediate threat to us.
その山火事は、私たちにとって差し迫った脅威ではない
◆ 「脅威が近い」から「差し迫った」という意味でも使われる
(2) sudden
A sudden drop in temperature could have a serious impact on the human body.
気温の突然の低下は人体に深刻な影響を与えることがある
His political career came to a sudden end.
彼の政界でのキャリアは突然終わりを告げた
Her decision to leave the company was sudden.
会社を辞めるという彼女の決断は、非常に急であった
◆ 名詞を修飾する以外にも、こうした使い方もする
(3) abrupt
There was an abrupt change in the weather.
天候の急変があった
◆ sudden と同じくabrupt change/rise/drop(突然の変化/上昇/低下)やabrupt end(突然の終わり)などのパターンで使うことが多い
Their happy marriage came to an abrupt end.
彼らの幸せな結婚は突如終わりを告げた
□ threat(名)脅威
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)