アップルはまだ、あなたの財布代わりにはなれていないが、その野望を断念したわけでもない。今回打ち出した新たな戦略は、成功に急接近する可能性を秘める。  ティム・クック最高経営責任者(CEO)はかつて、アップルが「買い物の在り方を永遠に変える」と宣言した。このクック氏の強気の発言は「iPhone 6(アイフォーン6)」という、アップルにとって数年ぶりの目玉商品の投入にあわせて行われたものだ。それから8年が経過したが、財布からクレジットカードを取り出したり、伝票に番号を入力したりして支払う人がなお大半を占める。  もっとも、時価総額で世界トップのアップルはあきらめていない。