中国は長年、中東から石油・ガスを調達してきた。足元では、中国企業がエネルギー関連インフラに対する巨額投資に乗り出している。これにより、中国はエネ調達先の分散が可能になる。また中国が中東外交で影響力を強めている中で、戦略上の優位性を確保する狙いもありそうだ。一方、中国企業にとっては、西側諸国が長らく支配してきたエネ産業において技術的な専門知識を得ることができる。中国は先頃、カタールのガス田で初の権益を購入。中国石油化工(シノペック)が300億ドル(約4兆円)相当の液化天然ガス開発プロジェクトの第一段階における権益1.25%を取得した。昨年11月には、国営カタールエナジーとの間で、年間400万トンの液化天然ガス(LNG)供給契約を結んでいる。これは昨年の中国LNG輸入量の6%余りに相当する。27年の契約期間はカタールにとって過去最長だ。
中国の中東戦略、エネ合意の裏に隠れた狙い
西側支配の構図に変化も
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