「あの仕事はオレがやりました」という主張や自慢は、ビジネス界で敬遠されがちだ。だがリクルートの社内では、こうした発言をする社員がしばしば現れるという。その理由を掘り下げていくと、同社が「ゼクシィ」「ホットペッパービューティー」といった新規事業を相次いで成功させたヒントを知ることができる。一体どういうことか――。ダイヤモンド・オンラインがお届けしている「学びの動画」の『リクルート 新規事業の「勝ち方」』(全6回)から、詳細を書き起こした記事を特別公開する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
>> リクルートが新規事業を成功させる極意を徹底解説!特集『リクルート 新規事業の「勝ち方」』(全6回)の動画はこちらから
ビジネス界で敬遠される“アレオレ”が
リクルート社内では多発!?
「あれ、オレが立ち上げたんだよね」「あれ、オレが考えたんだよね」――。
ビジネスの世界では、事業やプロジェクトが成功すると「自分の功績だ」と自慢して回る人物がしばしば現れる。
中には、その事業に少ししか関わっていないにもかかわらず「自分の手柄だ」と主張する者もいる。
特に後者は「アレオレ詐欺」と呼ばれ、メディアの記事やSNSなどで揶揄(やゆ)されてきた。
だが、リクルートホールディングス(以下リクルート)の社内では、ビジネス界で敬遠されがちな“アレオレ発言”をする社員が多いという。
リクルートといえば、人材事業を祖業としながらも、新規事業を次々と軌道に乗せ、経営多角化を進めてきたことで知られる。
もちろん実際は、リクルートのさまざまな新規事業は「組織ぐるみ」で生み出されたものだ。「ゼクシィ」「ホットペッパービューティー」といった事業は、一人の天才だけの力で成立したわけではない。
リクルート(※)で新規事業開発室の室長を務める石川周平氏も、自社グループの体制について「特定のプロダクトを、誰か個人でグロースした(成長させた)という感じにはなっていません」と明かす。
※石川氏の所属は事業会社のリクルート。
にもかかわらず、なぜリクルートには「あの仕事はオレがやりました」と主張する社員が多数いるのか。