ロシアで拘束されたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者(31)の解放に向けて話し合いを進める上で、ロシアの波乱に満ちた過去を通じて培われた強硬な交渉スタイルが、米国に厳しい試練を突きつける可能性がある。ロシア人は時に交渉において容赦がなく、往々にして、両者にとって有益な欧米式のウィンウィンのアプローチを嫌がり、相手に揺さぶりをかけることもいとわない。同国のビジネスや外交経験者らはそう話す。そうした慣例は、共産主義政権下の数十年にわたる物資不足やその後の混乱した経済移行に応じて発展したとみられるが、その根底には、ロシア帝国からソビエト連邦を経てウラジーミル・プーチン大統領の権威主義政権まで続く絶対主義的な伝統があるという。
ロシアの好戦的な交渉術、記者解放めぐる試練に
プーチン政権下で磨かれた容赦ないスタイルが協議を複雑にする
有料会員限定
あなたにおすすめ