米電気自動車(EV)大手テスラが最近相次ぐ値下げに踏み切ったことは、20年近い同社の歴史の中で決定的な一幕を意味している。こうした動きは、EV先駆者のテスラがその優位性を失い、競合する老舗メーカーの悪習を受け継ぐことになる兆しだろうか。それともテスラを率いるイーロン・マスク氏が業界を一変させる次のイノベーションに動き出す一手なのだろうか。今年行われた値下げは、テスラ車に対する顧客の需要に関して相反するシグナルを発信していた。マスク氏が自動車業界に新たな道を切り開く中で、テスラ車は十余年続いた苦難を乗り越え、数年前から多額の利益を生み始めている。マスク氏は先月、こうした動きの背後にある自身の戦略を明確にした。テスラは目先の利益を犠牲にしても、販売台数の継続的な伸びを優先すると同氏は断言した。
マスク氏の微妙な戦略 テスラ値下げは吉か凶か
自動車業界の教訓とイノベーションのはざまで
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