米金融大手JPモルガン・チェースの上層部がファースト・リパブリック銀行のどこを気に入っていたかは、隠し事ではなかった。それはウェルスマネジメント事業で、もっともな理由もある。破綻した米地銀ファースト・リパブリック銀がエリート層の顧客を抱えていたため、JPモルガンは富裕層向け資産管理事業を大きく飛躍させる機会を手にした。ファースト・リパブリックでは難しかったことも、JPモルガンの規模があれば可能かもしれない。JPモルガンのジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は1日のアナリスト向け電話説明会で、「ファースト・リパブリックから取得する支店は好立地で富裕層に対応でき、ウェルス戦略を加速させるチャンスになる」と説明。ファースト・リパブリックの一部支店をJPモルガンの「ウェルスセンター」に作り変えるという。