米国が史上初めてデフォルト(債務不履行)に陥る事態を回避しようと、バイデン政権や議会幹部らが対策に奔走している。連邦政府の債務上限引き上げを巡る協議は行き詰まっており、早ければ6月1日にもデフォルトに陥る可能性が示されたことで、代替案探しが本格化している。時間切れが迫る中でも、表向きは共和党と民主党のいずれも、これまでの立場を変えていない。共和党は債務上限の引き上げと引き換えに歳出削減を要求する一方、民主党は無条件での上限引き上げを求めている。だが事情に詳しい関係者によると、政権当局者と議会幹部は水面下で代替案を検討し始めた。妥協点が見つかるまでの時間稼ぎとして、一時的に債務上限を引き上げることなどが選択肢に含まれるという。議会が債務上限を引き上げなかった場合でも政府が支払いを継続できるような、試験的な方法も改めて検討されているという。