ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)記者のエバン・ゲルシコビッチ氏(31)の拘束は、ロシアに暮らす多くの西側出身者に不安をもたらした。その中には、ロシアが昨年ウクライナに侵攻したあともロシアにとどまることにした米国人もいる。そうした米国人の中には、波風を立てないように言動を改めたと話す人もいる。ロシアにとどまる理由を聞こうとしたところ、取材を断った人や匿名で話すことを選んだ人が数人いた。しかし米ロ間で緊張が高まっているにもかかわらず、ロシアは安全で自分の居場所だと感じるとあくまで主張する人もいた。既に大きく損なわれていた米ロ関係は昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、最悪の状態に陥った。そこにゲルシコビッチ氏の拘束という最悪の事態が新たに発生した。