ロナルド・レーガン氏は40年前、現在では不可能に思えることを成し遂げた。49州で勝利を収めるという大差で再選を果たした。その過程で、自身の年齢に対する不安を鎮め、インフレ低下と経済成長という波に乗り、米国を新たな信念と精神を持つ国としてアピールした。バイデン大統領と同氏のチームは、この歴史的な勝利を再現するために懸命になっている。バイデン氏の広報チームは、レーガン大統領の「アメリカの朝(Morning in America)」という選挙CMにあまりに魅了されたため、それを模倣した。バイデン氏が再選出馬を発表した動画には、笑顔の子どもたちや小さな町で米国旗を掲げる人々の映像があふれている。しかし、レーガン氏の広報集団「チューズデー・チーム」が制作した1984年のCMが簡素で心を打つ内容だったのに対し、バイデン氏の動画は、短いカットの連続と盛り上げるための音楽を組み合わせたアマチュアのまねごとだ。あふれ出すようなエネルギーは、高齢の大統領が明らかに活力を欠いている現実から米国民の注意をそらすことを狙っているようだ。字幕がなければ、視聴者はバイデン氏が早口で話す言葉を理解できなかったかもしれない。
【寄稿】バイデン氏がまねるレーガン再選運動
再選出馬の動画はレーガン氏の選挙CMの模倣
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