ジョー・バイデン米大統領は選挙期間中に、迫害を逃れて米国への難民を希望する人々の受け入れに努めることを誓った。だが大統領就任から2年がたった今、選挙公約とは裏腹に、メキシコ国境に押し寄せる難民希望者の抑制を目指す新制度の策定に動いている。こうした方針転換は幅広い政治的シフトを反映したものだ。新型コロナウイルスの感染拡大対策として不法越境者の送還を認める「タイトル42」という措置を導入してから3年。数十年にわたり難民希望者に認められてきた権利を聖域としない将来について、民主・共和両党の議員とも違和感を抱かなくなりつつある。バイデン政権はタイトル42が11日に期限を迎えた後、同様の措置を導入する計画だ。既存の法律は難民希望者の不法越境を明確に認めているが、新たな措置では不法越境者を直ちに厳しい難民基準で審査することになる。審査基準はほとんどの申請が通らないよう設計されており、通過しなかった人は母国またはメキシコに送還されることになる。
米バイデン政権、不法移民の送還継続へ新措置
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