明るみに出た中国外交官による
カナダ野党議員親族への脅迫
カナダのジョリー外相は5月8日、「在カナダ中国大使館の外交官が、野党保守党議員の香港に住む親族への脅迫を企てていた」とし、カナダに駐在する中国人外交官に対しPNG(好ましからぬ人物/国外退去処分)として国外退去を通告したと明らかにした。
ジョリー外相は声明で「外国からのいかなる内政干渉も容認しない。カナダ駐在の外交官がこのような行動をすれば自国に送還されることになる」と警告した。
これまでの報道によれば、上記の事実はカナダ紙が2021年のカナダ情報機関の報告書を報道したことで明るみに出た。中国のウイグル族への人権侵害を非難するカナダ下院の決議に賛成した保守党議員とその親族らが中国当局から脅迫の対象になっているとの指摘があったという。
カナダと中国の間では、2018年に米国から詐欺罪などで起訴され、カナダで拘束されていた中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)をめぐり、両国の対立構図が明確になっていたが、さらに緊張が高まる恐れがある。
中国による国家の主権侵害は、中国非公式警察問題(https://diamond.jp/articles/-/321594)をはじめ、近年次々と明るみに出ており、中国当局の汚くも恐ろしい手段に日本としても警戒を強めざるを得ない。
いずれにせよ、本件は改めて「ウイグル族への人権侵害」に焦点が当たることが、中国にとって極めて都合が悪いことであることが明らかになった。
そして、ウイグル族への人権侵害については、実は新たな情報も確認されているのだ。