投資家は米国株の先行きを不安視している。逆張り派に言わせれば、それは市場にとって朗報だ。バンク・オブ・アメリカの最新月次調査によると、米銀行セクターの混乱を背景に、ファンドマネジャーの株式への買い意欲は薄れ、2023年に入って最も後退している。長引くインフレや金利上昇、景気減速といった懸念があったところにこの重圧が加わり、ファンドマネジャーが保有する株式の債券に対する比率は2009年以来の低水準に落ち込んでいる。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、機関投資家は過去12カ月間に3339億ドル(約45兆3000億円)の資金を株式から引き揚げた。この間に個人投資家はさらに280億ドルを引き揚げた。このうち多くが現金同等物に流入している。米投資信託協会(ICI)によると、MMF(マネー・マーケット・ファンド)の5月10日時点の運用資産残高は過去最高の5兆3000億ドルに達した。