米バイデン政権は電力部門の脱炭素化を目指しているが、その上で頼りにしている技術の一つは、これまで期待通りの成果を出せていない。米環境保護局(EPA)が先週発表した新たな温室効果ガス排出規制案に対応するため、米国の多くの石炭火力発電所やガス火力発電所が導入を計画しているのが、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)技術だ。北米で現在、CCS技術を使用している商用発電所は1カ所だけだが、同規制の推進派が期待するほど順調には進まず、気候変動の抑制にも期待したほど役に立っていない。その1カ所とは、カナダ・サスカチワン州にあるバウンダリーダム発電所3号機で、地元で採掘された石炭を10万世帯分の電力に変換している。
CO2回収、導入済みの発電所が示す「教訓」
米の環境新規制、期待通りの成果につながらない可能性も
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