2020年、ゼネラル・モーターズ(GM)は電気自動車(EV)に完全移行する計画をまとめ始めたが、ある決定的な要素を考慮しなかった。それは計画の実行に必要な電池用鉱物の多くがまだ地中にあることだ。  「『リチウムは十分にある。ニッケルも十分にある』と書かれた当時の原料担当チームの報告書を見た記憶がある」。現在、GMの電池向け原料の確保を担当する工業エンジニアのシャム・クンジュール氏はそう話した。当時はこうした鉱物を一般市場で購入することを想定していたという。  GMの幹部は間もなくこうした予測がどれほど的外れだったかに気付いた。