バイデン政権が反トラスト法(独占禁止法)の厳格な運用を軸とする「全政府」的な政策課題を掲げ、「米経済における競争の促進」に着手してから2年が経過した。同政権が一つのことに成功したことは間違いない。それは、企業の合併・買収(M&A)に影を落とすことだ。司法省と連邦取引委員会(FTC)は、以前に作成された合併審査のガイドラインを破棄した上で、潜在的な悪影響に関する新たな考え方に基づいて、多くの合併案を阻止するために介入し、一連の勝利を収めた。半導体サプライヤーのエヌビディアが、英半導体設計大手アームを400億ドル(約5兆4450億円)で買収する提案の取り下げを明らかにしたのは、FTCが買収阻止を狙って提訴したのを受けてのことだ。ジョナサン・カンター司法次官補は最近の会議での発言で、広く知られているように6件のM&A案を阻止したことを自賛した。同次官補はまた、「公になっていない阻止案件がさらに多くあった」と付け加えた。
【寄稿】米国の国際競争力を損なうM&A阻止
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