中国では目下、銀行による預金金利引き下げの動きが広がっている。ここ1年は貸出金利の低下で利益が圧迫され、預金が記録的な水準まで大量流入していた。各行の発表や国営メディアによると、今週に入り、十数行が個人・法人向けの特定の預金口座に支払う最高金利を引き下げた。今後、多くの銀行が追随しそうだ。直近の下げ幅は平均0.30ポイント。これまでにも国有大手から小規模な地銀まで、預金金利引き下げの動きが出ていた。中国の市中銀行は昨年、景気低迷を受けて、政府当局者や規制当局からの指示で企業・家計向けの融資を増やした経緯がある。多くは貸出金利を引き下げることで融資額を押し上げた。極端なケースでは、業界の基準金利を下回る水準で住宅ローンを提供していた銀行もあった。
中国の銀行、預金金利の引き下げが「マスト」に
貸出金利の低下が利ざやを直撃、資本状況に不安も
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