英国と米国の同盟関係は強固だが、ウクライナへの対応では違いが生じている。英国は米国がより積極的に関与することを望んでおり、米国は英国がより慎重になってほしいと考えている。相違は主に兵器を巡って起きている。英国は先週、長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」をウクライナに供与すると発表したほか、これまでに数千基の携帯型対戦車砲を同国に引き渡している。英国はまた、ウクライナに対して専門的な電子戦と情報面での支援を行っている。英国による支援は米国が実施した兵器や資金の援助には見劣りするものの、英国はウクライナに対して性能が最も高い兵器を供与する意思を一貫して示している。兵器だけでなく、人的支援についても似たような状況だ。英国陸軍の特殊空挺部隊(SAS)および特殊偵察連隊(SRR)、海軍の特殊舟艇部隊(SBS)から派遣された特殊要員が前線に非常に近い地域で活動している。これらの要員は、北大西洋条約機構(NATO)の諜報(ちょうほう)活動とウクライナ軍をつなぐ重要な仲介者としての役割を果たしている。英国の特殊要員は戦闘に直接加わっているわけではないが、ウクライナ特殊部隊の活動に対する彼らの指導的な役割は、ウクライナがロシアの鉄道、飛行場、燃料その他の補給拠点に対して行った妨害作戦にはっきり表れている。英国陸軍はまた、ウクライナ軍司令部から最も信頼できる助言パートナーとみなされている。