多くの投資家は、ダウ工業株30種平均がどの程度の水準で推移しているか大体言い当てられるだろう。だが、それは必ずしも株式市場のパフォーマンスを正確に理解していることにはならない。それどころか、自身の運用成績に関する見方を曇らせ、決定をゆがめる恐れもある。今年の株式市場は真っ二つに割れている。一方はわずかな巨大テク企業で構成され、非常に好調だ。もう一方は残りの銘柄すべてで、散々なパフォーマンスだ。配当の再投資を除いたベースで、ダウが今年に入り1.2%の値上がりにとどまるのに対し、より広範な銘柄で構成されるS&P500種指数は9%余り上昇している。ビスポーク・インベストメント・グループによると、年初来の両指数の差としては1945年以来、最大の開きだ。ダウのさえないリターンにばかり気を取られていると、2022年の損失を回復するのが実態以上に遠のくと思えるかもしれない。
投資家はなぜ間違った株式市場を追うのか?
ダウは必ずしも最適な目安ではない
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