ChatGPTの情報は画一的、「生成系AI」は民主主義社会を支えるツールたり得るか生成系AIの回答は、われわれが想像する以上に限定的だ。それは画一的、さらにいえば平板と表現すべきものだろう。要するに、何の目新しさもない、毒にも薬にもならない情報だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ChatGPTは対話型だが、
私が誰であるかを知らない

 ChatGPTのような対話型の生成系AIを使うと、多くの人はしばしば、自分が深く理解されていると感じてしまう。

 個人個人が投げかける質問や指示に、それぞれ異なる回答を出してくれるからだ。

 これまでのマスメディアとは全く違う!ChatGPTは、利用者の個別事情を理解して対応してくれる!

 こうした思いを抱くかもしれないが、しかしこれは錯覚にすぎない。

 ChatGPTなどが、個々人の多様な事情や考え方を学習したり記憶したりする能力は限定的で、個々人に応じてや多角的な視点で答えをだすまでの能力はない。

 対話型生成系AIを使う場合に認識すべき最も重要な点は、このことだ。私はChatGPTがどのようなものであるかをおよそは知っている。しかし、ChatGPTは私が誰かを知らないのだ。