現代自動車が米テスラに対抗する車を考えていた際、鄭義宣(チョン・ウィソン)会長(52)が、70年以上前に生産を停止した奇妙な車の写真を主任デザイナーに送ってきた。その車は1930年代~40年代にかけて米ミシガン州で製造されていた「スタウト・スカラブ」で、バスと平底船を掛け合わせたような風変わりな見た目をしていた。「正直に言って、10年前は他社に素早く追随することが、われわれのデザイン戦略の全てだった」と現代自のデザイナー、イ・サンヨプ氏は話す。同社と傘下の起亜の会長を務める鄭氏が求めたのは、模倣をやめ、ライバルに先んじることだ。