米国の規制当局は、大手銀行に対して財務基盤を強化するよう求める準備を進めている。これは、今年相次いだ中堅銀行の破綻を受け、金融システムの強靭さを高めるために必要な措置だとしている。計画に詳しい複数の関係者によると、規制当局が早ければ6月中にも提案しようとしている今回の見直しにより、大手銀行で必要とされる自己資本は平均で約20%引き上げられる可能性がある。具体的な引き上げ幅は銀行の事業内容によって異なり、最も大きな引き上げ幅となるのは、大規模なトレーディング事業を展開する米国のメガバンクと予想される。また、投資銀行やウェルス・マネジメントなど手数料収入に大きく依存している銀行も、大幅な資本増強に直面する可能性がある。資本とは、銀行が潜在的な損失を吸収するために保有することを義務付けられるバッファーのことだ。